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中屋万年筆の赤溜を細軟ペン先にしました。(首軸に象嵌も入れました)

2009年に初めて購入した中屋万年筆(ライターモデル ポータブル 赤溜塗り)ですが、
7年目を迎えようとしている現在、ちょっとおしゃれに作り替えました!

ペン先を細軟へ交換し、金象嵌入りの首軸にしてもらったのです。

この1年ぐらいで相当気に入っているのが、プラチナのシャルトルブルーで持っている細軟の書き心地なので。
「これを将来、中屋の軸でも欲しい!」
という思いはあったんですよね…

●過去記事:シャルトルブルー軸の細軟ペン先を買いました。

もう1本新品を買い足すよりも、
今回のアップグレードを決断したのはやはり、憧れて初めて購入した赤溜塗りの軸を、永く使い込んでいきたかったからなのでした。

 
ここで告白しておきますと、この赤溜軸、ペン先交換をするのは5年ぶり2度目です…

購入時は細字でした。
インクフローが渋めで硬いペン先が、私には予想外に使いにくくて用途がなかなか合わず、手が離れがちになっていたのが勿体なくて…
その後2011年に太字へペン先交換したのでした。

この太字も、旧#3776ペン先らしいドライな書き味で、ほぼ中字並み(!)の太さのペン先として納得して使っていました。
しかし、ここ1,2年は特に、この線巾自体をあまり使うことがなくなり、昨年に至っては数回しか使わず。
インクを抜いて休眠させていた期間も長かったかもしれません。
(プラチナのブルゴーニュやシャルトルブルーを初めとする、新型センチュリーペン先の細軟(SF)や極細(EF)、超極細(UEF)の使いやすさが手に合ったのも理由のひとつかな。)

ずっと持ってても良かった太字ペン先ではありますが、この先もそう頻繁には使わないであろう。
と予想出来ました。
しかもBはブルゴーニュでもう1本もってて、これも現在インク抜いて休眠中なのです。

・・・以上をペン先交換の言い訳とさせて下さい。

というわけで、新規で買うよりもずっと予算が縮小でき(後述しますがこの仕様を新規に買う約半額程度で済み)、
本数を無駄に増やすことも阻止できた上、愛着のある軸を気に入ったペン先でこの先も休まず使い続けられる。

この結果が得られたので万事成功ということになりましたよ。

中屋万年筆、ペン先交換してみました。 ←太字に変えた時(2011)

伊東屋で中屋万年筆を買ってきました。(前編) - (後編) ←購入時のレビュー(2009)

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長いこと「ネットでカスタマイズして買う時がきたらやってみたいなあ」と思っていたのが、グリップに象嵌のしるしを入れること。
蒔絵オーダーなどに較べれば実にささやかな特別注文ですが、最初に中屋万年筆を知って以来惹かれていた件でした。
しかし私の場合、万年筆祭りなどのイベント時に軸を選んでそのまま買っているのでなかなかこれが出来なかったのですよ。

中屋百科事典・中屋万年筆:金(24金)の象嵌

今回も、細軟へのペン先交換だけで終わらせるつもりだったんです。
しかし先方から、私の2009年購入の軸は旧型ペン先用の首軸であり、ペン先交換したいなら
「首軸ごと取り替える必要があります」
と見積もり時に言われてびっくり。
もちろん首軸分の代金も上積みになるわけです。

あーこれはもしかしてプラチナと同じように、中屋もセンチュリー型のペン先に変わっているということかな!と納得。
どちらかといえばインク出が渋めな旧型より、現行ペン先のみずみずしい書き味のほうが手に合っている私には有り難いことなので。
(作り替えた現在、ペン先裏側を見較べてみると、確かにプラチナのセンチュリー系のペン芯と同じ”横長方形のくぼみ”が新しくついてます。)

そこで見積もりにOKを出そうとして閃いたのは
「どうせ首軸のすげ替えを必要としているのだから、象嵌入ってる豪華版にしてしまう良い機会では!」
ということ。

そんなこんなで、

・ペン先交換料金 16,200円
・首軸交換料 6,480円
・金象嵌 7,776円
———————
合計 30,456円(税込)

という見積もり金額でした。
5年前のように1行目だけの料金で済むと思っていたんですが。
自分の勝手な注文とはいえ、象嵌入り首軸が加わって2倍!(ノ∀`)
(しかしこれの新品を購入すると「更に倍」だから と思うことに。)

1.5〜2ヶ月の納期と言われてましたが、今月初旬に1ヶ月もかからず届き、大喜びで使ってます。
ちなみに中屋の場合、交換したペン先の返却はありません。

金象嵌は、やっぱり入れて良かったです。
十角軸のような本体自体の華やかさはあまりない、おとなしい見かけの漆軸ですから、この小さな模様ひとつでかなり印象が変わった感じがしますよ。
視覚的にシュッと締まって、グリップ部が星のように目立つところが、眺めるたびにお気に入り!

もちろんこの部分、指先に段差や異素材感を全く感じません。
つるつるした漆塗りの周囲に、完全に溶け込むよう細工されています。
常に触る場所とはいえ、24金製ならば変色や劣化もおそらくないでしょう。

肝心の書き味ですが、当初購入時の旧型細字時代に苦労したことを思い出してつい
『あまり細くなりすぎないようにお願いします』
と備考欄に入れて送り出したのです。

後になって、
「もしかしたら中軟くらいに太くなって帰ってくるかも。
 ペン先が新型に変わったなら余計なことを書いたかも。」
と心配していたのですが…
さすがにそれは大丈夫でした。
Amazon購入のシャルトルブルー軸で持っている細軟と、線幅自体はほぼ一緒!安心です。

しかし、比較するとフローが少し多めになるよう緻密な調整がされていることがわかりました。
シャープな線なのに、手帳へ書きこんだ直後、字の中できらっとインクの水分が光るのが見えるんです。
間もなく乾いてしまうのですが、この”字の跡がきらきらする”景色がなかなか良いのです!

というわけで、
シャルトルブルーのほうはサリサリと比較的ドライで賑やかめな筆記音であるのに対し
中屋の細軟はスルスルと静か。
紙の上での走り方も実にマイルドなのでした。
字の形すらちょっと違う感じ。うーん面白いなあ!

使用したいインク欄に、
プラチナのブルーブラックのカートリッジで長く使っていくつもりです、
と書いておいたせいなのか、新しいカートリッジが1本刺さったまま届きました。
(すぐにそのまま使えて嬉しい…)
おそらく装着した状態で調整して下さったのだと思います。
金属球をカタカタ言わせて使いたいので、私は、このインクだけはカートリッジ派なのです。

シャルトルブルー軸のほうは、ブルーブラックのレギュラー担当としての重責(?)から解放されたので、これからいろいろなインクで細軟を楽しむペンにしたいと思っています。
現在は、トパーズ入れてます。 春だなあ。良い色です。

●過去記事:ブルートパーズ色のインクを使いはじめました。(エーデルシュタイン トパーズ)  
↑ボトルが大容量なので、ばりばり使う色にしたいです。

それにしても中屋万年筆、こうして「本数を増やさず大切に使う」方針でカスタマイズとアップグレードを施したのに。

次の1本はEFかな。象嵌は最初から入れて、軸は碧溜か黒溜。

などと手帳の隅に書いてあるのは何故だろうね??(妄想する分には無料ですが。)

しかしとりあえず、赤溜軸はもうこれが最後のカスタマイズになると思います。
またいつかペン先の好みが自分の中で変わる可能性はありますが、この細軟は手放したくないし、見かけもこれで完成ですから。

今回の思い切ったリフォームで好きなペンを毎日しっかりと使うことが出来るようになり、とても嬉しい結果となりました。

 
●その他の関連過去記事:
 ブルゴーニュ色の万年筆を買いました。 ←最初(2012)に買ったブルゴーニュは太字でした。

 中屋万年筆、2本目のペン先はミュージックにしました。  
↑今回は登場してませんが、ミュージックペン先が中屋の2本目なのです。(2012)
  この菖蒲塗りもすごく良い色!
  金が似合う紫系の青軸なので、グリップに象嵌入れたら更に美しい軸になるだろうと確信しているのですが。
  ペン先は気に入ってるのでこのまま大切に使います。

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