
2024の手帳の上に乗せた写真↑なのは 、昨年の9月に購入したペンで、その時にうきうきと撮影したものなので。
10月からの値上がりのニュースも聞いていたし、誕生日だから という自分への言い訳もつけて思い切りました。
キャップレス万年筆は、その便利さゆえに「使い始めるとこればかりになる(ので、こればかり買う…)」という魔力があるのですが、このLS軸も長いこと欲しいものリストの上位にあったものです。
2019年末の発売時、今までのキャップレスとはひと味違うゴージャスさで話題になって、その時から気になっていたのですけれど…
いざ買おうと気持ちを固めたとき不具合による回収情報が出たりしてタイミングを失っていたのでした。
(今発売中のものは、もう大丈夫)
ノック音がとにかく静かです。
わりとメカメカしく「カシャっ!」と鳴るのが通常のキャップレス軸の特徴なのですが、LSはペン先を押し出すときの ス…. という、ほぼ無音かつ、重めだけどゆっくりな押し心地に、初めて体験したときは「おぉ!」となりました。
更にユニークなのは、ペン先を戻すときの動作。
押し出したときと同じくもう一度ノックするんじゃなく、(上から見た断面が)雫型になっている突起部分を、ひょいっと捻ることで収納されます。
ここもしっかりと無音で完了できます。素晴らしい。
捻るのは両手で丁寧にやってもいいんですが、ここは、軸を握ったまま親指を伸ばしてシュッと弾くように押すのが正解みたい。
今ではすっかり慣れてしまい、普通のキャップレスの時ですら親指が上に向いてしまうくらい身についた動作となりました。
この深い葡萄色はラグジュアリーパープルという名前で、大人っぽい深みがとても好み。
エラボーを買った時も思いましたけれど、パイロットは金属軸の色出しが実に美しいと思ってます。


そしてキラキラ輝く彫りが施された銀色のリング、これは本当に所有満足感が上がる部分。
このLS軸についての解説を読んで知ったのですけれど、パイロット社には宝飾品部門もあり、その加工技術が生かされているとのこと。
ここで結婚指輪を選ぶ文具好きも多いのだとか。良いですなぁ!
このLS軸、使う人の好みを分ける点があるとすれば、軸の重量になると思います。
41gというのは、万年筆としてはかなりズッシリ級の重みになるでしょう。
ちなみに、レギュラーサイズのキャップレスで31g、細軸のデシモで21gとなります。←LSのほぼ半分!
ペン先パーツ自体は他のキャップレス系統と互換が効くので何種類か手持ちのものと差し替えて試しましたけれど、細字だとこの重量の軸では手がフラフラして安定しないのです、私の書き方の場合。
迷ったけれど、私の場合は中字一択だなあという感じ。
この軸はFとMしかないですが、こんなにずっしりした軸なら太字ペン先があっても面白そうだよねーという気はします。
(とはいえキャップレス全般そうですが、内部のペン先パーツは互換が効きますから。いろいろ試す余地はありそう。)
同じく重さの理由で、サクサクと速書きするよりは、考えながら…くらいのスピードで書きつける用事のほうで役立ってます。
CGのチュートリアルをやりながらメモをとったり…など際に使うとけっこう頭に入るのは、じっくり型の書き方が向いている重みだから?
正直、当初は「この重みは予想外だった…」という気持ちも少なからずありました。
しかし、年末からバレットジャーナル(というかToDoを書く手帳)として使ってるノートである「ニーモシネジャーナル」のすべすべした紙質と非常に相性が良くて、なんか軽くメモするだけでも楽しい書き心地なんです。

キャップレスの書き心地特有の「キュルっとした感じ」が更に強まる気がするのも良くてね。
軽めのキャップレスでは細字や極細ペン先のほうが活躍してるので、ここは使い分けしていこうかと思います。

黒いツヤ消しタイプの軸もなかなかカッコいい(捻るダイヤル部分にスッと赤い線が入ってカッコいいアクセントになってる!)んですよね。
黒マット軸のほぼ日キャップレス持ってなかったら、こっちも迷ったかも。
パイロット社に限らず昨今の万年筆の値上がりは、諸々の事情で仕方ないとわかりつつもびっくりです。
ここ10〜20年くらいの間で馴染んでいた「昔の値段感覚」が全く通用しないほど急激にかけ離れてしまいました。
だからこそじっくり考えて、とっておきのお気に入りを探していかねばなりませんね。

既に書いたように、キャップレスは増やすたびに「次はどれにしよう」を考えがちになる、とんでもない万年筆です。
困った困った。
しかし今回のLS、見た目含めてとても満足。しばらくはノート用にほとんどこればかりになりそうなくらい、気に入ってます。