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「青墨」インクを使いはじめました。

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以前から興味津々だったのが、プラチナやセーラーから発売されている、顔料系の万年筆インク。
「極黒」などが知られていますが、滲まない・まっくろけな色味を求める人にはたいへん好まれているそうですね。

ただし、普段使っている染料系インクと違って、軸内部で乾いてしまったときの落ちにくさから引き起こされるペンの不具合など、ちょっと怖いことも聞いているので二の足を踏んでいました。
こういうのを使うときは「コレで、頻繁に書くかどうか?」から考えないといけないのでしょうね。
そもそも黒インク自体を滅多に使わないので、私にはまだ敷居が高そうでした。

しかし昨年、この種類の青色系も発売されたと聞いて、ああこれは我慢できないかもしれないなあと..。

実は、プラチナの「顔料ブルー」は、昨年、中屋万年筆のイベントで試す機会がありました。
もちろん、漆軸の万年筆を買うためにはるばる乗り込んでいったのですが、各種ペン先試し書きのときに、職人さん自らが気に入って使っているという軸も貸して頂きまして。
そこから出て来た線は、プラチナのブルーブラックよりは明るい、ロイヤルブルーのような青。
「それ、この前でた新しいインクで、顔料の青なんですよね~」と、たいへん気に入られているようでした。

驚いたのは、フローの良さです。
細字ニブでもさらさら書けて濃淡も結構あるし、「顔料」の先入観が崩れました…

と、前置きがいつものように長いですが、今回買ってみたのは、セーラーのほうから出ている「青墨(せいぼく)」。
「あおすみ」だと思ってた!

まずは手軽に扱えるカートリッジにしました。
いろんな万年筆に使い回すほどの勇気は(まだ)ないので、ちょうど寝かせ中だったプロフィット21のMニブを「専用ペン」にしてみようかと。

万年筆用超微粒子顔料インク(ナノインク)、と箱に書いてあります。
カートリッジ本体にも「ナノインク」と金文字がきざまれており、ここでぐぐっと緊張してきます。

・・・書いてみると。
暗ターコイスというべきか、深海色というべきか、これはいわゆる「あおみどり系ブルーブラック」でした。
(正直なところ、ウォーターマンのブルーブラックとぱっと見の区別がつかなくて、色に対する驚きはほとんど無し…。)

プラチナのときの体験と同じく、フローもたっぷり、濃淡も綺麗ですが。
色の乗りがくっきりしていて、白い紙に書くと(もともとフローも多めなMニブだからというのもあるけど)、グっと前に出てくるような立体感さえあります。
私はもちろんそうなんですが、この、緑寄りな藍色が好きな人にはたまらない発色と言えますね~。

Moleskineに対しては
・裏抜け具合は、「全然抜けない」というのを期待していたが実はそれほど鉄壁ではなかった。
(これについては古典BBやラミー青のほうがよほど優秀な気はする。)
しかし、太めの字でも先端や交点中心に若干ポチっといってるくらいなので、まあ実用の範囲内か?
盛り上がるほどのなみなみフローの割にページを裏返すとその程度なので、この紙にしては、もちろん大変に良い仕事をしてくれていると思う。

・滲み具合は、これもやっぱり完全ではなく、ちょっとエッジがボケ気味かな~。
はっきりいってこの点、好みからはギリギリなところ。
気まぐれなMoleskineの紙の個体差によっては、ムズカシいときとイイ感じのときの差が大きくて、少々予想外。

でも、裏抜けしない度の高さは有り難いので、今後このノート上でも使うと思いますが。
乾いたときの擦れも特にないですね。

クオバディスのエグゼクティブやコレクトの5×3方眼カードといったような、目の詰まった硬めの紙のうえではサラサラスラスラと、微少ながらサ行な書き味で。
(手応えに「粉っぽい」感じがある。とまでいってしまうとそれは”超微粒子”という説明書きを鵜呑みにした錯覚かもしれない。
しかしなんとなく、染料インクの場合と違う筆記感じゃないか、と思うのだけど….。)
そして上記のように、白の上でのクッキリ発色が、これらの紙でも目に楽しいです。

あと、ウォーターマンなどの染料系とは色は似ながらかなり特徴的に違うところは、「手帳やノートの、印刷された罫線等を弾かず、しっかり上にインクが乗る」ということかな。
その点でも気に入ってます。

いままで何度か色しずく系を出し入れして、使い道が定まらなかった(このシリーズ、色は好きだけど紙を選ぶから大変→でも綺麗だから使いたいので入れてみる、の繰り返し。)、このプロフィット21のMニブ、今度こそ安定需要につながりそうで期待しています。

付け加えると、上写真のとおり、インクの箱の裏には、「セーラー製の万年筆以外には使用しないで下さい。」とあり。
(まあこれはカートリッジなのでそうせざるを得ない。ボトルでも売ってますので、今のを使い終わったら買ってみたい!)
ちなみに、プラチナの顔料ブルーのほうにも「専用万年筆のみ対応」という注意書きが。

とにかくそれくらいは心してもらわないと。というか、難易度が高いですよというメーカーからの念押しはヒシヒシと感じられるので、ペンに優しい、計画性のある消費をしていきたいと思います。
ちなみに、Amazonで買ってみました。↓

セーラー万年筆 万年筆 顔料カートリッジインク 青墨 13-0604-142
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