
先日やってきたモンブランの149、購入後10日ほど経ちますが、これまで強化期間と称して集中的に使うようにしてました。
モンブランブティックでは、試し書き専用の146(各ニブ幅ごとにずらりとトレイの上に用意されている..)しか書き味が試せないのですよね。
これらの、銀座店なら特に長年?大勢によって使い込まれた故に柔らかめかつフロー豊潤なペン先で最終決定をしなければいけないのはけっこうスリリングかもしれません。
新品の実物は、だいたいこれより一段階は細字、と思っても大丈夫なくらい。
149はとにかく、ペン先が頑丈。
しかしひとくちに”硬い”とか”厚い”とかの表現で片付けられないような自己主張をメラメラ感じます。
「へっ。オレサマをそんな簡単に手なずけられると思うなよ?」
とか言いたげな感じ。
うわー調整出しかねコリャ..と悲しくなるほどうまく書けないときもあれば、はっとする程にツボが合うときも..という具合にコロコロと毎日違う顔をみせてくれて、大変なわがままちゃんなのです。
それでも日々が過ぎるほどにこちらもだんだん”入り込めてきた”感じか。
(「向こう」がこちらを理解してきた、とも言えるかも。)
ただ決定的に判断できることは、ちょっとフローが渋いな。ということ。
「ペン先形状がおかしい」というほどでもなく、いますこしMニブらしいみずみずしさに欠ける。
なので、書き出しに難があることも何度かあるし、終始、もう少し筆圧を下げて書ければ..と思うわけで。
(特にペンクリニックで見ていただいた145を使った直後などに。
もーコレが私にとってのモンブランの「輝ける基準」なのですよ。
これは、書き出しがダメどころか文字の途中で途切れるというひどい症状が購入後2ヶ月めくらいから追加発症。
インクを出そうとして筆圧をかけすぎて開いちゃったので、ますます悪化していったんだよね…と教えて頂きました。
もう、同じ失敗は繰り返したくないのだ!)
そんなわけで、このごろ定着しつつあった「ペンとインクのブランドを合わせる」方針を不本意ながら解除することに。
手持ちの中で、モンブランよりはフローが良い(と思われる)青インクを順々に試していくことにしたんです。
ちょっとぐらいの程度なら、入れるインクの性質次第で書き心地が改善されることがけっこうある、とはコミミにはさんでいたので。
以下は検証結果
・ペリカンのロイヤルブルー
フローが多くなって書き出しの調子が非常によくなった。
ただし、薄青な濃淡が情緒がありすぎて(笑)、モンブラン(ましてや149)のイメージじゃない、というか、線が視覚的にしっくりこない。
太字であったとしても、ペリカンのような平らな研ぎでこそ色味が映えて楽しめるインクなんじゃないかなと思う。
褪色が気になると騒ぎはしましたが、嫌うことなく(笑)ずっと使い続けていますよ。
・セーラーの青(ただし、インク工房で調合してもらったオリジナル仕様。市販より明るめの青。)
なんだか書いているうちに、不自然にドボドボインクが出てきた(でも書き出しは渋かったり。)ので慌てて中止。
あと、調合している色素がたまたまこういうものなんでしょうけれど、ペン芯が赤光りするのもちょっと怖い。 長刀万年筆には現在も、このインク以外は考えられないほどに調子よく使えてますけどね。
・ウォーターマンのフロリダブルー
いちばん具合がいいかも。
青が濃くて綺麗にインクが出るし、フローも必要にしてじゅうぶんな、一番好みの出具合。
モンブランの青インクのときよりも、必要筆圧が何割も下がった感じ。
ラミーやモンブランを使うよりは裏抜けする紙も多くなるだろうけれど、ペンのコンディションには代えられないしなあ。
というわけで、しばらくウォーターマン青で馴らしを続けていこうかと。
いずれは純正に戻したいとは思っていますけれど。
現状は、調整に出すとか思い詰めるほどダメなわけじゃない(ような気がする)ので、もうすこしマイルドな手応えになるには今後の育成次第、といったところかな。
そのペン先ががっちりハードなせいか、149はモールスキンのような、すべすべしすぎないタイプの紙には結構相性良く(ススー..とちいさな音を立てながら)楽しく書けることを最近発見しました。
他の万年筆で体験済みなんですが、モールスキンに集中的に使っていると、購入当初の多少の違和感を感じたペン先でも、自分仕様にこなれてくるのが速いんですよ。