火曜日に銀座へ行ってきました。
祝日なので混雑は覚悟でしたが、伊東屋で先行発売中のキュリダスというペンをどうしても見たかったのです。
○PLATINUM PEN CO,LTD. JAPAN “curidas” ← 公式ページ
専用お試し台が設置されているとコミミにはさんでいたのですが、遠くからでもすぐにわかりました…
(次々と近寄ってはなにか書いたり眺めたりで、ザワっと人だかりになっていた!)
台にはEF/F/Mの各ペン先のキュリダスが紙といっしょに置いてあるので自由に手に取ることが出来、全色の軸が飾られた透明ケースも。
「次、試したいので順番よろしくおねがいします…」
の空気をふんわり出しながらじわじわ近づいて、無事に書きまくることが出来ました。
自分の能率手帳ゴールドも持ち込んだよ。
その合間にも、接客順番待ちの予約を入れたり「○○(軸色)の△△(ペン先)を下さい」と即決する人などが続々と。
様子を眺めつつ、私も流れに続いた次第です。
実物を見た感じはwebで知っていた姿とだいぶ印象が違いました、私の場合。
以前から「長い」とは聞いていましたけれど、第一印象が本当にそれ….
ノックボタンだけで3センチちょっとあります。
(パイロットのキャップレスは2センチ)
帰宅後はかってみたら全長が15cm以上あり、私が持ってる中で一番長い中屋万年筆のポータブルより長かった…
※上写真は、キャップなしタイプの軸比較。
左から、ラミーのダイアログ3、キャップレスデシモ、キャップレス、キャップレスフェルモ、キュリダス。
さらっと(ブログ上では)新登場している軸もありますが個々の話はまたあとでね!
ただし、筆記時はキャップレスより3mm程度大きいだけなんですよ。
と、いうことは結構深くボタンを押し込んで使うものだということがわかります。
直径も、キャップレスよりほんの少し太いんじゃないかしら。
(最大径13.8mmとのこと。)
先端近くまで直径が変わらないので、持った感じだけでなく見た目ボリュームの”棒状感”はけっこうあります。
しかし!
その体格の存在感を覆すのが約24g(カートリッジ装着時で。)という軽さなんです。
けっこう大きな軸なのに、速書きしても遠心力で振り回されるような感覚が全く無し。
掌の中で安定する軸直径なので、軽すぎて筆記中に手首が浮くようなストレスも発生せず。
そういうバランスの良さが最大の魅力に感じましたし、書いてみて初めて知った「あらー、良いね」のポイント。
いちいち較べて申し訳ないのですが、キャップレスで30g弱。
メイン素材が金属と樹脂ではこうも違うのかと。
ちなみに、ダイアログ3は47gです。ここまでくると完全に別モノです。
この軸については語ると長くなる凄さがあるので、またこんど!
ペン先は、私は当初M(中字)を購入するつもりでした。
しかし、実物を試してみて、想像していたよりインクフローが良くて滑らかだと気付きました。
いわゆる軟調ペン先のように柔らかいわけではないのです。
しかし筆圧に従って根本からボワンとたわむような不思議な弾力が特徴的。
素人感想ですいませんが「上下方向にしなる」ような手応えが返ってくるんですよ。
こういう書き心地、私は細字方面で味わうのが好きなんです。
キュリダスの試筆台の上でも、おおイイじゃないか!とまず感動したのはEFでした。
たっぷりめなインク出のせいなのか鉄ペン先特有のカリカリ感もなく、それでいてプラチナっぽいシャープな細さで書けて。
これは、試してはじめてわかったので良かったなぁと。
最近(主にroganのせいで)極細ニブの使用を避ける傾向があったのですが、キュリダスのEFは手帳に限らず、どこでも取り出したい感じです。
ノックは、前述したとおり3センチくらいは押し込むことになるので、そこが好みの分かれるところかもしれません。(わりと軽やかに押せますけれど。)
出すときも引っ込めるときも、樹脂製といえどノック音はカチッと大きめ。
使いどころは選ぶかなという感じはあります。
インク補充で必要な、分解・組み立て方法もやや複雑です。
各パーツとも、コの字やL型の溝に沿って丁寧に動かして引き抜かないとですし、バネの内側にそーっとペン先を入れるのも緊張…
まずは公式サイト内のHow to動画視聴は必須と思いますし、同梱の取説はしばらくの間は手元に置くことをおすすめします。
クリップを取り外す工具的な部品もついているのですが、これもHow to事前学習は必要です。
購入時に実演してご指導頂いたのですが、不器用な私がこんなこと何度もやれば軸を傷つけそうで怖いなというのが正直なところです….
私自身は、この位置にクリップがついていても指の邪魔に感じないので外す機会もなさそうです。
軸の重心をペン先側に下げてくれる働きにも期待したいし、クリップがついているほうがちょっとだけ見た目の高級感が上がる(気がする…と思いたい…)。
軸色は、好みど真ん中だったので予定通り赤にしましたけれど。
濃いめとはいえ半透明のせいか、白っぽいところと黒っぽいところ、置く場所によって雰囲気が変わって面白いです。
赤と緑は、全5色のなかでは派手系グループではありますが、透けすぎないことで明るさが抑えられ、程々に大人っぽさを保っているところが気に入りました。
さすが、近年のセンチュリー軸でさまざまな濃半透明色軸を出してきた会社だなあ!という感想。
(薫風もってなければ迷ったはずの美しいグリーン。)
とはいえ、当日の伊東屋売場、中身丸見えの無色透明軸を指名買いする人も多かった。
普通の万年筆よりメカっぽい雰囲気を醸し出しているところに惹かれるんですよね。
キュリダスは、その軸だけでなくペン先が格納される機構部分も樹脂製なのです。
エラストマーという(ゴムのような)柔らか素材で出来ているので、蓋がパクっとくっついて密封度が高まりインクが乾燥しにくいのだそう。
また、キャップレスと違ってペン先がシャッター蓋に触れることなく出てくる仕組みであるため、いわゆる「古典インク」の強い成分による腐食からも守られるとのこと。
というようなことを初めとする基礎知識は、わたくし、購入前日に文具王の解説動画でちょっとだけ勉強したのでした。
長編かつ専門的解説もあり難しいので…ざっくりレベルですが、とても興味深く視聴しました。
○プラチナ万年筆からカジュアルなノック式万年筆CURIDAS爆誕!!(最初の準備にちょっとだけ注意が必要だから見てね!)【文具のとびら】#172【文具王の文房具解説】キュリダス – YouTube
こういう素材のこういう仕組み、耐久性はどうなんだろうとか(長い目で見た場合の)心配は少々あります。
ぱっと見ではとても万年筆に見えないので、人によっては価格もデザインも賛否分かれるかもしれないんですが。
面白いし、実際使いやすいので、私は満足。
おすすめしたい良い筆記具です。
ペン先別や軸色別で複数買いする人の話も、すっごくわかるなあ。(今のところは我慢)
いつか金ペンや金属軸バージョンも出たりするのかしら…
というわけで、楽しく使っていきたいと思います!