7月の話になってしまうのですが、最寄りの駅ビルの中に「東急ハンズ トラックマーケット」という小さな店が出来ました。
(帰宅後に調べたところによると、ハンズが本体の、フランチャイズ制の期間限定店舗のようです。
実際、今回の店も3ヶ月ほどの営業で10月に閉めてしまうみたい。
品揃えは、”ちょっと便利な生活雑貨”が中心。)
その開店の日、たまたまなんですが午前中に駅へ行く用事があったのです。← ひどい天気だったけれど意を決して伊東屋に向かおうとしていた!
そしてやはり偶然にも、駅構内に入る寸前に、開店告知の看板を見かけ
「ハンズがこんな田舎に来たのか…ちょっと寄ってからにしよう」
とUターンして駅ビル内に戻ったわけで。

入ってみると、朝から大雨だったせいで開店初日にも関わらずけっこう閑散としており。
意外と小さいスペースだったので、軽く一回りしてから東京に向かおうと、レジ近くまで歩いて行ったら!
「開店記念!高級筆記具特価!」
という表示にズガーンと打ちのめされたのです。
ワゴンに(まるでお中元売れ残りセールの如く、箱を開いた状態で)ずらりと並べられているのは、新品なのに定価の三分の一くらいまでに値下げられた万年筆やボールペン。
文具的要素はほとんど無い雰囲気の店なのに、なぜか突然の「万年筆3分の1」が積まれていたらそりゃ〜血が沸騰しますよね? ← 大げさ
ざっと見た感じおそらく、全国のハンズから流れ着いた、売れ残ってしまった在庫?
都会のハンズのショーケース内に長らく飾られていたけど、ずっとそのままで
(箱は完璧なのにペン先の金が若干曇っていたのもあったのは、そんな環境だったのではないか?)
ついにこんなところへ送られてしまった… 等々と想像しながら:←ほんとに勝手に想像しただけですよ:
食い入るように眺めていた私。
サファリ1000円とか、1万円クラスの国内メーカー金ペンが3000円とか、種類はさほどなくともドサドサと置いてあってなかなかの目玉っぷりでした。
客寄せ効果を狙っているのだろうし、こういう幸せは大勢の人に行き渡るべきなので 1本だけ。
と自分に言い聞かせ。
しかし並んでいるなかからいちばんお買い得(定価が高い)のを選んでしまいました。

セーラーのミルコロール万年筆です。
これ、発売当時に画像で見て「ずいぶん大胆な柄の軸だなー」と思った記憶はうっすらとあります。
調べるとけっこう良い値段すること(3万円)を知って以降、そのまま忘れかけていました。
そういうところが、この売場に流れ着いた理由なのかな?
似た感じでキティちゃんがついてるのはもっと高かったような。
ミルコロールの青系配色の軸のほうもワゴン内に並んでいました。
しかし、赤-白-ピンクの金輪で区切られたシマシマがちょっとファンシー文具な雰囲気もあって、こちらがとっても可愛い!
店員さんもメガネをかけ直してじーっとペン先や小さいラベルの文字を確認して下さったのですが、線幅の種類は結局不明なままに「まあいいや、細そうだし」と買ってしまいました。
(あとから「中細」しかないモデルなのだと知りました。)
というわけで、これが大特価10000円だったというわけです。
「お会計、一万円でございます」
「ぜ…税込みでいいんですか…!( ꒪⌓꒪)」
ホクホクしつつ、そのまま電車に乗って銀座に直行した自分もずいぶんスゴいなあとは思うんですが。
そのとき伊東屋で買ってきたブルーアワーのインクを入れて使っているんです。

保証書も箱もきちんとあり、ピカピカ新品の素敵なペンですよ。
プロフェッショナルギアの21金ペン先モデルがベースになっているので、10年近く前に購入した長刀と全く同じ体格なのです。


堅実 VS きらきらファンシー。
正直言って、ここまで違う見かけなのも面白すぎです。
生き別れて全く違う環境で育った双子姉妹のよう…!
国内三社ではセーラーがいちばん「あんまり持ってない」メーカーだったので、買ったのはずいぶん久々でした。
ここの中細ペン先は初めてだったのですが、いやあ、使いやすいですね。
大変良いコンディションのペン先だったのは幸いでしたが、手帳やノートに幅広く対応する中細線幅は、実に万能。
こまかく書き込める細さなんだけれど、インクの濃淡もきちんと出てくれるちょうど良さ。
ブルーアワーの青緑も綺麗に映えますよ。
接地時は硬めだけど書き進むほどにバネ感のある僅かにポワンとくる弾力は「そうそう!セーラーってこんな感じだよね」と思い出させてくれるもので。
この万年筆、見かけ含めて本当に好きになりました。
(金リングの数の分、ふつうのプロフェッショナルギアより重いかな?ほんのちょっとですけど。)
まあ確かに、これがハンズで定価売りされていたら買うか?と問われればモゴモゴと黙るしかないのですが、いろんな巡り合わせで引き寄せられた良縁と解釈します。
大事にするよー!
さて3日後「どうなかったかな」と再びそっと覗いてみたのですが、ワゴンの中は見事にカラッポに売り切れており、お店も賑わっていました。
セール品、まだ残っていたら物欲再燃確実だったので、ホッとした次第です。
転売目的での買い占めなどされず特価仲間のペン達が、各家で幸せな余生を送ってくれますように。
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