\ 旧ブログの文具カテゴリー記事、毎日こちらへ移動作業中/

ブルーブラックでよみがえりました。

光の加減で黒軸に見えますが、これは4年前の暮れに買ったボルドー色のモンブランM145です。字幅はF。

手帳などと一緒に携帯しやすい軸直径、キャップを後ろに付けて書くときのバランスの良さ、カートリッジ/コンバーター両用式なのでお手入れもしやすい等々、かなり気に入って使い始めたものの。
何故かだんだんインクが途切れるようになって、そのストレスで日々ドンヨリ…

その後、見事に再生して頂いたあとは、かなり気をつけるようになったのですよ。
「診断」によるとどうやら、筆圧でペン先が開いちゃったらしいのです。反省。

M145は、現在持っている万年筆群のなかではすごく華奢なペン先の部類に入ると思います。
(私の筆圧で)ガシガシっと大きめの文字で長文がいけるような耐久力は、見るからになさそうな…。
この書き心地でもって国産ブランドの細字または極細字程度であれば、どれだけ使い勝手良いかと想像するのですけれど、あいにく、買ったときからFとは思えないほど太字な個体でした。
(海外ブランドの字幅は、日本製の表示の一段階上くらいと考えるのが適切である、らしいのですがその基準をも突破するレベル。)

インク途切れを直して頂いてからフローの豊潤さ自体も前に増して絶好調になりまして(笑)、なかなかインクを決め込むことが出来ませんでした。
M146やM149達は純正ロイヤルブルー専用で安定した成長を続けているのですが、このM145に限っては、なにかのインクを入れるとすぐに、描線がドボドボ溺れたような大味な書きごこちに飽きてしまって。
ひとつのインクが長続きしないのです。
それでも、絶対に使い込みたかった思い入れあるペンですから、とにかく手持ちのあらゆる色を実験した回数においてはナンバーワンかも。

しかし唯一、おお?と違う感じになったのが今回のモンブラン製ブルーブラック。
いわゆる、鉄入りの「古典BB」であるし、今までは常用するほどの使用頻度でもなかったこのペンに入れるのは避けたいと思っていたインクです。
(前にも1度、少量入れてみたことがあるけれど、他のものを洗浄するついでにすぐ抜いてしまった。)

このインクのせいでほんの少しだけフローが渋くなったのですが(もともとそれが狙い。)、結果、急激に書き心地が好みになりました。
ドボドボした水分過多状態から一転、鉛筆のようにシュルシュルとした書きごたえが手に伝わってくるようになりまして。かなり楽しい!
描線の端や曲がり角に出る、モンブランBB特有の水墨的濃淡もかっこいいです。
もちろん、裏抜けや滲みなどにも強いのでそれほど紙に気を使わなくていいのも魅力。
筆記直後の青みが、時間と共に彩度を減らしながら黒(というより灰色系の濃淡へ)落ち着いてくるのも趣があります。
目にささるほど濃すぎず、そしてカラフルでないせいか、書きながら集中できる利点もあるように思います。

Fの割にあきらかに太字なところはそんなに変わっていないのですが、インク色も書き味も「液体鉛筆」っぽく変身したおかげで、なぜか小さい字を書きつけるのに便利になってしまい。
画数の多い漢字はけっこう混み合っちゃいますが、手帳をはじめちょっとしたメモなどの時はつい手が延びるようになってきました。
今くらいの使用頻度なら、ブルーブラック専用としても全く支障なく運用できそうな予感。
素敵なインクだなあ。いや、ペン先も良いのだ。
(川口さんが手渡してくれながらの言葉「使い込めばもっとよくなるよ」をやっと実感できてきた!) と、日々ほれぼれ中。

  • URLをコピーしました!