
と、いうわけで、いくつになってもおめでたい本日。
今回のご主人からのプレゼントは、モンブランの万年筆(M146)だったのでした。
とくに今年からコツコツと万年筆をはじめとする文具類を集め始めたのを見ていて「誕生日になにか記念になるような良いペンを買ってあげる」と言ってくれて以来、ずうっと9月が近づくのを楽しみにしていた私。
モンブランにしたのも「万年筆といえばこれしか知らないから」というご主人から提案されたので、これまた「趣味の文具箱」のようなカタログ本を眺めながら、どれを所有すべきか、ずうっと考え続けていました。
実は7月末にLAへ行くときに、成田空港に綺麗で立派なモンブランブティックが新しく出来ていたのを(ぶらぶら歩いていて)偶然発見し、国内定価と比較した免税価格のお買い得さに感心して眺めていたら、「どうせだから今買っちゃおう」というノリになりまして…。
(そんなわけで、真新しい万年筆とともにウキウキとロサンゼルスに旅立ったのですよ)
でも、DFSではペン先がM(中字)しか扱ってないんです。
私は細字で使おうと思っていたので。
購入後6週間以内に国内の直営店に持って行けば、ペン先交換や名前彫り込みなども無料で受け付けてくれるという説明をうけて購入したのです。
帰国後のペン先交換前提なのでインクを入れて書いたりすることもせず、アメリカでは毎晩寝る前に箱から出してはにやにやするくらいしか出来ませんでした。
帰ってきてから、体調不良をものともせず、すぐに銀座の並木通り沿いにあるカスタマーサービスまですっ飛んでいきましたよ。
対応してくれた方が非常に親切かつ的確で、書き癖や持ち方のことまでとてもよく話を聞いてくれてアドバイスしてくれました。
(ペン先調整用の預かり書類の書き込み時に、その人が貸してくれたボールペンが、ずっしりしてるのに一度紙につけると無重力状態的にスラっと書ける、驚異的に素敵なものだったので思わず絶賛。
もちろんモンブランなのですが、銀製で今は廃番品なのだとか。さすがです。)
彫り込む名前の書体は6種類から選べるのですが、筆記体のYの字が一番カッコイイ感じだったものを選びました。
字に金色を埋め込まない、素彫りのタイプもビジネス向けに人気ですと言われたのですが、ここはバーンといこうと(笑)。
ペン先の交換と調整と名前彫りで預けてみると、ドーンと1ヶ月くらいかかってしまうわけで、結局8月いっぱい手元になくて、早めに購入しておいて丁度よかったのかも。
ちかごろのモンブランは、クリップに宝石っぽい飾りがついたかわいいものなんかもあって、それも大いに心惹かれていたのですが。
今回の一本は、初モンブランでもあったし、定番かつ歴史のあるMeisterstuckとよばれる種類にしようと決めていました。
いかにも作家先生が愛用してそうな超太軸の149←は見た瞬間私が使うのはあり得ないサイズだと思ったけれど…、レギュラーサイズ的(でも結構太い)146、比較的細身なクラシック145の3パターンのなかで迷っていました。
5月に書斎館で購入したアウロラのオプティマ・バーガンディを気に入って使っていたことから、比較的近いサイズだろうとアタリをつけて146にしたわけですが、これがほとんど違和感がなくて正解。
ただし、ペン先の感触は全く違っていて、アウロラのほうが硬めでちいさくシャカシャカと紙の凹凸が心地よく手に伝わってくるのに対して、146はひたすらしなやかに衝撃吸収する感じ。
筆圧強めな私でも、手から自然に力が抜けてラクです。
角度を選ばず滑らかで、インクフローもたっぷりしているところが、いかにもきちっと調整してくれたんだなあという、優等生の書き味!
ちなみに、インクは相変わらずお気に入りのLAMYの青です。
このマイルドかつソフトな書き心地はほんとうに気に入っているのですが、ぶつけたり落としたりしたら致命的に潰れてしまって一巻の終わりだろうなという恐怖感が、他に持っているどのペンよりもあり。
うーん、怖い。
でも、酷使しつつも一生モノとして大事にしたいと思ってます。
軸のパーツに使われている金色が、他のブランドのこんな感じのデザインのものとくらべると、ちょっと白っぽいというか黄色すぎないのもかなり好きな理由です。
黒色と組み合わせても上品な配色になるのです。
万年筆って、私にとって年齢ひと桁の頃からモノ書きが何より好きで、実際それに度々救われつつ生きてきたものですから、自分を示すいちばんの存在証明的な憧れの道具なんです。
まあ実際万年筆を所有したのは大学生になってからだったと思ったけれど。
(特にモンブランは、デパートのショーウィンドウで値札を見て、「筆記用具なのに??」と仰天したコドモ時代の思い出が鮮明。)
激務だったりコンピューターの早打ちに心を奪われていたりで、手に持つこと自体を忘れていた時代も長かった。 これからもまた別なペンを欲しくなっちゃうのかもしれない。
それでもやっぱりこれはとっておきなので、お守りのようにずうっと持っていたい。
なにか良いことをよびこんでくれそうな気がします。