
セーラーのプロフィット21、昨年にひきつづき2本目になります。
実はこれ、2ヶ月ほど前のペンクリニックで、あまりにも客が少ないのをいいことに、川口さんといろんなことを話しているうちに心が動いて(笑)、その場で調整、そして「組み立てて」もらったもの。
いろいろ書かせてもらってるうちに、やっぱり細字が気になるからFニブかなと思っていたのですけれど、私の字はEFのほうがいいよと言われました。
「お客さんは極細使ったほうが良いな、うん」
ペン先がとんがっていて怖いくらい(実際、字幅も相当細い!さすが日本のEF…)だったんですが、私の書いてるのを眺めては軽く調整、を数回やりとりしている間に.
僅かにあった針先っぽい「チョリチョリした感じ」が消えてスルスルと私の手先に沿った感のある”いい線”が出るようになった。
これだけの細字でこの感覚はちょっとびっくりですよ。
まあとにかく硬めであることは確かなんですけれど、セーラーのペン先って独特な(良い意味で)しっとりと粘っこいしなり方をするような気がします。
それでいてススーっと鉛筆っぽく走ってくれる素直さもあり、で。
既に持っている中字や長刀でも、そしてEFのこの万年筆でも共通にある感想なのですけど、なんとなく、「これはセーラーの万年筆っぽいよね」とわかりやすい個性のうちのひとつなんじゃないかなあと。
(なーんて、えらそーに言えるほどたくさんはもってないんですが~。)
私は既にシルバートリムのプロフィット21をもっていたのですが、そのとき川口さんが作業してくれたEFの軸は、スタンダードな金トリムの黒軸。
本来、このニブだとこの軸しかないんだそうで、146のイトコくらいには似ているけれどまあいいか、と思ってました。
しかし、先にラミーStudioのパールホワイト軸を持ち込んでいたことが頭にあったのか、
「お客さん、こういう黒いのあんまり好きじゃないでしょ?」
と言いつつ、売場のショーケースをじーっと眺め始めた川口さん。
なんとその後、もともとお店にあったボルドー軸(マルン軸)の、「プロフィット21長刀研ぎ」と軸をつけ替えてくれたのでした~。
「こっちのほうがいいでしょ?」
ハイ..か、感動です!
「通常、極細でコレのマルンは売ってないからね~」
とのことなので、得した!と思って良いんでしょうか?
その頃(やっとですが)タイミングよく、私のあとに調整依頼品を持ってきたお客さんが席に着いたので、お支払いに席を立った私なのでした。
ありがとうございましたー。

以後2ヶ月。
ほぼ毎日のようにどこかしらに使ってる(やっぱり主に小さめのメモや手帳だけど)愛用品となっています。
146と並べても、赤いからいいコンビになって(笑)なんだか可愛いのだよ。
そのかわりほとんど、役割交代という感じですっかりプレピーの出番が減ってしまった。すいません…。
ちなみにインクはカートリッジで純正のブルーブラック入れてます。
およそ華やかさとは縁のない、暗くて金属を思わせるような色なんですけれど。
しかしなんだか「濃いめの鉛筆を液体にしたら」こんな感じかなあ、という実直な地味さが妙に気に入ってしまって。
書きに集中できつつ、紙にもほどよく映える良い色だと思います。
いわゆる「古典インク」じゃないし、書き味もさらっと滑らか。
ペン先のデリケートさも手伝って、すべすべした表面傾向の紙を自然に選ぶようにもなってきました。
どうも最近、目にアピールしてくる元気なロイヤルブルーより、こういう暗~い影のあるブルーブラック系が気分的にしっくりくる感じが。
細字ペン先とともに、あたらしいブームが(私の中で、だけど!)到来している予感。
というわけで、久々の万年筆レビューでした。