先日、家からそう遠くない場所に「コーチャンフォー」というお店が出来ました。
文具と本の店らしい…と、うっすらな情報しか知らなかったので
(SNSの北海道方面にお住まいの方の投稿で、店名は聞き覚えが。
4頭立て馬車を意味する「coach and four」のカタカナ表記であると…調べて初めてわかった驚きの豆知識!)
実際に行ってみたら、売場のあまりの広大さに興奮です。
ワンフロアなので、歩いても歩いても端に行き着かない!
店内のドトールコーヒーの席数が見たこともないほど多く、グランドピアノまで置いてありました。

立地の周辺環境に合わせているのか、文具も書籍もけっこう学童〜大学生というか 若い人向きな品揃え中心だなという印象です。
でも、ネット上でしか知らなかった商品の実物を大量に見ることが出来まして、大満足です。
万年筆は、あんまり無いのね…と思いつつ歩いていたら、なんと壁の棚にFerris Wheel Pressのインクがずらりと並んでいました。
いつか東京の文具店に行くことがあったら実物を見たい!
と思っていたカナダのブランドです。
それぞれの色に可愛い名前がつけられ、ストーリー性のあるテーマに合わせた華やかなレトロデザインのパッケージ。
いろいろと上手いなあ、と感心します。
SNSの広告によく出てきたので海外通販しようかと思っていた時期もあったのですが、日本でも買えるようになって嬉しいです。
(いつかペンも欲しい)
そんなわけで今回のコーチャンフォーで発見したFerris Wheel Pressのインク。
見たところレギュラー的なセットの他にも、最近の限定の色、ラメや遊色入りなどがガラスペン(これは他社製)と一緒にずらりと並んでキラキラと遊園地のような壁面スペースになってました。
これはもう、開店記念の土産がわりに(?)ひとつ買って帰ろう…と決意した次第。

開店当日で選び放題だったにもかかわらず、とても堅実な色をお迎えしてしまいました。
「確実に使い切れそうか?」を念頭に置くとこうなる…
ジェリービーンブルー。可愛い名前ですね。
日本産インク基準で見るなら「やや明るめのブルーブラック」と言っても良いほど濃く発色する青です。
サイト内のボトル画像は、撮影用にわかりやすくインクを薄めたか、そのように加工しているのだと思います。
実際はもっとずっと黒っぽいんですよ。
色はくっきりしていますが、白紙の上で”目に刺さらない”青なのは、ごく僅かに色温度が高い(パイロットの色彩雫でいう「月夜」のようなあたたかみ要素が入っている)ような気がします。
それでいて書いた後に眺めてみると、インクの溜まりには、強すぎず弱すぎずの絶妙な赤フラッシュが浮き出てくるという・・・
なかなか面白いなあ。

他の色はわかりませんが このJelly Bean Blueに限って言えば、わりとシャバシャバに水っぽい書き心地です。
紙によっては太めに出たり裏抜けしやすいかもしれないタイプ。
インク出が渋いペン先には特に向いているかも。
私はカスタム845の中字に入れてみたのですが、書いてみるとパイロット純正のインクより紙の繊維が手に伝わります。
ヌルりとした要素が少なそうな感じを受けました。
フローはとても良く、紙の中にシューッと入っていく感じ。
濃いめの色なのに、中字程度でも予想以上に濃淡が楽しめます。

綿棒のような太いものでサーッと紙に塗ってみると、ボトルのラベルの青色がかなり再現性高いことがわかりました。
万年筆では普通に(先述したように「明るめのブルーブラック」的に)常用的に使える青インクとして活躍すると思います。
MD用紙程度の薄クリーム紙の上だと、暗い青にしっとりさが出て好きなんだよな〜!

ボトルは、38mlという使いやすい小容量ではありますが、3300円です…。
私がこのブランドを知った当初は85mlという大容量のものしかありませんでした。
ボトルは電球みたいな球形で。
正直なところ、よほど気に入った色ではないと無駄にしてしまいそうで買いにくかったです。
比較的最近になって、この38mlや、お試しサイズのミニ瓶3本セットなども出て来ました。
外箱のデザイン含めてとても素敵で、いわゆるSNS映えも狙えることでしょう。
しかし!
この38ml瓶は大きい割に奥行きが薄いので、ちょっと指がぶつかっただけで倒れそうなんですよ。
ボトルを立てフタを外した状態でインク補充をするのは、とてもとても緊張します。
(惨事を防ぐために、前後を何かで挟むことをおすすめします!)
上記の件以外は、とても気に入りました。
さまざまな特徴をもつインク色が出ているので、たまーに買い足すことがあるかもしれません。
今度こそ、ギラギラに変わった色を狙ってみたいと思います。