自分の「最初に手にした万年筆」は、パイロットのカスタム74だ!
とずーっと思っていました。
そんな理由もあって学生時代に使っていたのと見かけが近いものを見つけ、こういうのだったよなあと2年前に購入。
ダークグリーンの軸色で、ペン先はEFです。
これでせっせと手紙を(電子メールが個人の連絡手段として普及するだいぶ前の時代だったんですよ…)書いたり、授業のノートとったり大活躍だったよなあ。

実際書いてみるとかなり書き味に“覚えがある”というか、懐かしい感じも!
でも確か、昔に私が持っていたのはツヤ消し加工された軸だったと思うのですが…
なにしろかなーーり昔の話(笑)
「そういうデザインは、時の流れで廃番になったのだろう。」
と解釈していました。
ペンポイントも針先サイズに極小なので、ペン先全体が薄板のように(微小に頼りない感じで)しなる手応えもEFだからこその面白い書き心地なのです。
キャップレスデシモでもEFを持っていますが、やはり同じような感想を持ちました。

製品の個体差や、使用するインクにも大きく左右される件ですが、ゲルボールペンの0.38ぐらいとほぼ同等に見えます。
(私はパイロット社純正の黒カートリッジを入れてます。
他社製よりはけっこうシャバシャバな:染みこみやすいフロー抜群な書き心地の:傾向をもつインクかと。)
しかし!
わりと最近になって「カスタム74は1992年(パイロット社74周年)に誕生」ということを知り、動揺しました。
えぇえ…私もうその頃とっくに万年筆使ってた…
それどころか、この愛用のペンを、それよりちょっと前の年に電車の窓枠に置き忘れてるし…
(あれは本当に悔しかった。当然見つからなかったし。)

では私が使っていたのはパイロットの何だったんだろうなあ。
と、調べてみたところ現在は廃番のカスタム67だと即座に判明しました。
カスタム67 – Google 画像検索 わー!インターネットすごい。
そうそう、この2本の金線が入ったキャップの記憶が確かにあります。
ツヤ消しのグリーン軸製品が存在していたことも確認しましたよ。
67バージョンを再び手元に置きたいというメラっとした物欲はありますが(笑)まあここはもちろん、直系後継モデルであるカスタム74を楽しく使っていくことにします。
74のダークグリーン、(インク色としては即大人気になる系統の)濃く暗く渋ーい抹茶のような美しい緑色。
年代や場面を問わずおすすめな感じがします。
少しイエロー寄りな色味だと思うので、金色の装飾やペン先が浮きすぎず馴染んでいるのも良いですよ。
写真を撮るとほぼ黒になっちゃうくらい地味な佇まいなんですが、いかにもなレギュラー黒軸と並べるとなかなか個性的です。

カスタム74は5号サイズという小さめなペン先なのですが、大型のものと違ってボールペン的な小回りも効くとっつきやすさも、超がつくほどの魅力だと感じます。
(初心者向けの、まず最初に持つべき本格万年筆として長年に渡りおすすめされているのも納得の逸品!)
ある程度本数が集まってきて、物欲知識もたまってくる”脱”初心者になってきますと「ペン先は大きいほど至高」的な思想に一瞬陥る時期があるのですが(私だけか?)、ここは使い分けて楽しむのが大人というもの。
同じEFですが親子ほどに大きさが違うモンブランの149とカスタム74は※上の画像※、その線幅も書き心地もまるで別物なのですが、両方とても楽しいので手放せません。
私は少なくともこの価格帯の国産メーカー万年筆の場合、もうぜんぜん抵抗なく、Amazonなどの通販で割安に買ってしまうのですが、問題があったことはないです。
この件でも良品が届いて安堵。
今度はどこかに置き忘れるような使い方はしません(誓う)。
自分の原点のようなペンとして、長く大切にします。
というわけで、めでたく下記↓ の出来事からかぞえて現在使用中3本目の万年筆、の話でした。
