18日の買い物歩きの続き。
地下鉄を表参道で降りて、書斎館に行ってきたのです。
マスコミ露出度も比較的多くて、関連書籍にも必ず記事があったので、一度此処で、それなりの値段の万年筆を優雅に選んでみたいものだ!と考えていました。
オノボリさんのように地図を見ながら青山の町中を歩くのはさすがに抵抗があったので、印刷してきた地図を電車に乗っているうちから眺めつつ、必死でシュミレーション。
結局、曲がるべき路地がけっこう細いのでオロオロしながら道渡ったりしてましたが。
しかも、雨風が突然強くなって傘がふっとばされそうになり、髪の毛もごしゃごしゃに。
もう、優雅も何もあったもんじゃない格好で憧れの書斎館に入っていくことになりました。しくしく。
書斎館は、万年筆の博物館みたいなところでもあります。
ヴィンテージものからニューモデルまで何でもあり。
ディスプレイも大変美しい。
外の天気も悪かっただけに余計(一度晴れた日にも行ってみたいけれど)、周囲が暗いなかで灯りに浮かび上がるペンたちが宝石のよう。
お客さんは誰も居なかったのだけれど、緊張感よりまず目に入るものに心奪われましたから。
以前も書きましたが、やはり姿の美しさや華やかな色味が特徴のイタリアブランドである、AURORA(アウロラ)かDELTA(デルタ)から選ぼうと決意してはいました。
(まあでも、書斎館のようなところで眺めると、何でもすごく美しく見えるけれど。
お金と時間に余裕がある人には、なんにも決めて行かずに店内で延々と迷いつつ買って帰るという贅沢なことを愉しむのも、実におすすめなお店かもね~。)
カタログ本の写真で眺めてただけの時点では、いちばん容姿が好みだったアウロラのオプティマ・バーガンディを試し書きさせてもらいました。
比較的重量も軽めで、形もわりとクラシックなタイプ。
(このペンは、手帳やメモ用紙と携帯するのに便利な感じのミニサイズも展開されていて人気みたいです。)
この、軸素材がね~、実に綺麗なんですよ。
同種(オプティマ・クラシック)で青や緑もあってステキなんですが、この赤紫色タイプはクリップ等の金属パーツが銀色なのでクールな感じ。
(ペン先は14Kのロジウムコーティングなので、これも銀色です。
彫り込まれたアラベスク(唐草)模様がうつくしい~。)
軸は、このブランド独自のアウロロイドという樹脂を削りだして作ったものらしいです。
見た感じがセルロイドっぽい、ところどころ光るマーブル模様なのですけれど、そんなにコントラストが高くないんです。
光る部分もわりと沈んだ位置にある感じです。
だから、暗い場所ではパっと見、黒っぽい色にすら見えます。
写真うつりもフラッシュ焚かないと全然色が映えないのです。
暗めながらもこのページの写真(上から4番目の。)なんかはカッコイイですけど。 こういうのが好みだとね~、男っぽい感じがするモンブランとかペリカンとかにはなかなか手が伸びないんですよ。
試し書きでは、きちんと椅子に座り、滑りのよい上質ノート用的な紙と、少しザラっとした厚みのある高級便箋のような紙、2種類を出してくれます。
(な、なんとお茶まで出てきました。(;゚Д゚))
ペン先の太さも何通りかありますので、ちゃんと目の前で付け替えてもらい、じっくりと名前とか住所とかを書きまくるわけです。
ハ~、高い万年筆は書きやすい!うっとり。 海外メーカーの字幅は、国産よりは一段階太めで考えた方がいいんだとか。
極細・細・中字と試したのですが、用途を考えると細字か極細でいこうと思ってました。
試し書きしたら、つけてもらった細字のペン先が、字の太さというよりもとにかく滑らかで紙の上での走りがよい。
さらにインクの出が良いはずの中字のペン先よりも、紙とのフィット感が良いんじゃないかと。
これはもう、ペンの個体差とか私の持ち方との相性なので、こういう「当たり」を選べるのが試し書きして買う利点といえますよ。
もうすっかり他のペンを物色する気が失せたので(家にいた時点ではデルタのドルチェヴィータと迷ってた。まあいずれ将来的にはうちのコになるでしょう…)、お買い上げ決定。
インクの入れ方なんかもとても丁寧にレクチャーしてもらいました。
おしりの部品をくるくる回して吸い上げる方式なんですが、さらに、リザーブタンクといって、主要タンク(?)のインクを使い切ったときにも、予備のインクを溜めておく小部屋みたいなスペースがあって、ここを開くことでインク切れ非常時に助けてもらえるようになってるんだとかで。
面白いよね!
ペンと同じブランドのインクを好きな色でひと壜差し上げますと言われたのですが、モールスキン等使っているノートの紙との相性で、ラミーの青インク愛用してるんですが、アウロラはどうなんでしょうねと言ったところ、なんとラミーのほうに替えて頂けました~(涙)
いつか買うつもりだったのでこれは有り難い!
また、ひそかに楽しみにしていたのですが、書斎館では3万円以上の購入だと、オリジナルの革ペンケースをもらえます。
かなり厚地の柔らかい革なんですが、くるくると巻いて紐で止める巻きもの式になっていて。
同じ革をつかったカバー付きのメモパッドと選べるのですが、もちろんペンケース!
さすがにラミーサファリのようにがちゃがちゃと使える感じのペンでもないので、持ち運び用のケースを買わないとと思っていたから、これも有り難い!
ペン自体は、アウロラの超立派な箱に入れてもらいました。
(真珠のネックレスのセットをいれるやつみたいな、もう、無駄に大きい箱。)
その他、ついでに買おうと思ってメモしてきた文具のあれこれも出してもらいつつ、すっかり気が軽くなった私。
そう、地元のロフトには決して売っていない、縦型モールスキンのReporterも書斎館なら絶対あるだろうなと思って。
大きさは迷ったけれど、結局小さい方のサイズの方眼で買いました。
(この前、小さい普通タイプで無地も買っちゃったばかりなのだ。もったいないから開けてもいないのよ。)
ちなみに、Reporterは、私は(90度倒して)横長のノートとして楽しく使おうと思ってます。
本来推奨されている「立ったままメモする」などという使い方は、私の日常では考えられない(笑)ですし。
今回、サービスしてもらったラミー青インク以外で実はもうひとつ、モンブランのボルドー色のインクをいっしょに買いました。
暗めの赤紫色なんですが、万年筆愛好家の間では、プライベートな普段使い用として愛用している方も多いみたいで。
インク見本を見せてもらって、やっぱり綺麗だなあと。
持っているサファリの赤に、コンバーター付けて楽しもうと思いまして。
(サファリいっぱい持っててよかったなあ。いまは黒カートリッジ挿してるけど、黒はブルースターのほうで使おう…)
それにしても、モンブランのインク壜てかっこいいですね。
憧れのマーク、ホワイトスターがどーんとキャップに入ってるし。
っていうか、今回買った万年筆に色がそっくりなんだからこっちに入れればぴったりなんですが!
まずは汎用性の高い色で使い始めて、手に馴染ませますよ。
ほんっと、インクまで選び始めると、キリがないよね…..
と、いうわけで、お支払い総額は「明日からしっかり働こう」と100回くらい唱えたくなる程だったんですが、書斎館での買い物は大満足。
すっかりファンになりましたー。
万年筆はネット通販で探せば、わりと値引きされて売ってるんですよ。
それでも(きっちり定価売りでも)書斎館で購入してよかった。
というか、高いものほどあえてここに買いに行きたい感じ。
何本もの試し書きで気に入ったペン先をみつけられたし。
(なんにも試さずにホイホイと買ったラミーのサファリ+ブルースターを合計4本持っているけど、全く同じ太さですらペン先の個性がありすぎるのを痛感してます。アタリハズレというほどじゃないですが、ジャリジャリ系からスベスベ系まで、よくもここまでというほど違うのね~。
まあ、お手軽値段だし、それなりに愛用できてるからカワイイんだけどね~。)
きっと、起こらないように願いたいけど、何か問題がある場合のアフターケアもよさげ。
あと、田舎ものの私にもきっちりいろいろ教えてくれたし、お茶も出たし、インクもくれたし、何故かキャラメル(竹久夢二限定デザイン)もひとはこくれたし、ペンケースももらったし、綺麗な場所でたくさんペンが見れたし、帰りは外に出て見送ってくれたし
(「机上空間」にも写真が出ている、かわいいお姉さんが担当してくれたのだ!)
で、じゅうぶんよい思いができました。
これなら定価で全然いいや。ってことで。
そんなわけで、その晩のお酒と手羽先(新宿の「鳥良」で夫婦で大宴会。各自それぞれの打ち上げ。)は実においしかったです。
御馳走様でしたー。